#15|人が回してきたのは、仕事ではなく構造だった
私はこの構造を、評論として理解したのではない。
現場の中で、何度も踏み抜いてきた。
AIが置き換えるのは「人」ではない。
日本のIT開発に長く存在してきた多重下請け構造と、
その前提が、いま静かに崩れ始めている。
人で回っているように見える現場
大手IT開発の現場では、PM、PL、派遣、外部ベンダーが何層にも重なり、 巨大なプロジェクトが人の手で回っているように見える。
しかし、その実態の多くは設計や創造ではなく、 調整・伝達・管理・再実装に費やされている。
構造を維持するために生まれた仕事
進捗確認・会議
資料作成
指示の再伝達
責任分散
再説明・手戻り
再テスト
なぜ、この構造が生まれたのか
私は何度も、「全体を理解している人はいるが、 誰も最終判断をしないプロジェクト」に立ち会ってきた。
この構造を生んだ一因は、大手IT企業と派遣会社の関係性にある。 補完であるはずの派遣が、いつの間にか構造の中核を占めるようになった。
人を増やせばリスクを分散できる。 契約を重ねれば責任を薄められる。 そうした判断の積み重ねが、この構造を固定化させてきた。
AIはこの前提を必要としない
AIは、調整・伝達・管理を人の数で解決するという前提を必要としない。 多くの業務は、すでにAIで代替可能な領域に入っている。
AIが終わらせるのは、人ではない。
人を介在させることで成立していた構造そのものだ。